無気力コミュ障大学院生の私がなんとか就活を終えた話③ ~ ES、面接、そして挫折
このシリーズも早くも3回目となりました。ここまで続けて読んでくださった方はありがとうございます。
この記事から読み始めた方は、初回から見てもらえると、この記事がより楽しめるかと思います。
前回は、エントリーする会社を探して、会社説明会に出席した話をして、そこで重視したことや得た教訓について述べました。
今回は、そこで得た情報を元に、選考を進める会社を選んだところから、面接を受けるところまでを書きます。
コミュ障にとって一番の鬼門である面接でどうなったのか、想像には難くないと思います。
ES(エントリーシート)
募集要項と会社説明会で、エントリーした会社についての情報が出揃いました。
それを踏まえてその会社へのESを書くということは、会社の情報を得た上で選考を進めたいということを意味します。
言い換えれば、会社に自分のことを見てもらうために時間と手間を費やすということになります。
そこで、今までに得た情報から、会社の選別を行います。つまり、何か自分のイメージと違うなと感じた会社を取り下げていきます。
私は、この時点で2社の選考を辞退しました。
1社は体育会系のような雰囲気が合わないと感じたからです。もう1社は自分の興味のある分野と少し違ったことと、配置転換を(専門外であっても)かなり積極的に行うという方針を社員交流会で知ったからです。
会社の選別が終わったら、いよいよESを書いていきます。
ESは、今はネットで提出する会社が殆どです。(少なくとも私の受けた範囲ではそうでした。)
ESに記載する内容は、会社により様々ですが、「学歴」「取得資格(TOEICのスコア)」「志望動機」「自己PR(頑張ったこと、やり遂げたこと)」はほぼ必ず含まれていた気がします。
他には、「特技・欠点」「趣味」などがありました。変わり種としては、「〇〇という問題についてどう取り組むべきだと考えていますか」といった設問もありました。
各設問は100~300文字が多かったですが、個の能力とコミュ力が高く問われる業界では自己PRを1000文字書かせるところもあるらしいので、これは業界によって様々だと思います。
自分は、志望動機として「自分は〇〇に興味があって〇〇の分野に進学しました。そのため、自分の専門分野を活かせて興味のある〇〇の業界を志望しました」という業界汎用の志望動機に付け加えて、その会社のどういう点が自分に合っているかを個別に書きました。
また、自己PRについては、趣味の分野で精力的に活動してSNSを通じて交流を行い人脈を広げていったこと、コンピレーション企画への参加や大型企画の開催などに積極的に関わったことを書きました。
自分の経験から、ESを手際よく書くコツをいくつか書き留めておきます。
志望動機は会社の公式サイトを見る
志望動機は、基本的な情報(学歴や資格など)と並んで、ESの核をなす部分です。
そのため、この部分を汎用の内容にすると、あっという間に使い回しだと見抜かれてしまいます。
しかし、会社個別の志望動機なんて、なかなか思いつくものではありません。
そこで、会社の公式サイトを見ると、「求める人材像」を始めとした、会社の特色をPRしてくれています。
それを一部引用して、「貴社の〇〇というスローガン/特色が、自分の〇〇という点に合っていると感じたため」というコメントを少し付け足すだけで、オリジナリティのある志望動機に変化します。
もしそのことが面接官にバレても、それはむしろ会社のことをよく調べているアピールになります。
エピソードを書き留めておく
多くのESには、頑張ったこと、やり遂げたこと、リーダーシップを発揮したこと、大学生活で一番印象に残っていること、サークル活動について etc... といったように、今まで自分がやったエピソードに基づいて書く設問が何種類もあります。
そういった設問に毎回答えていくのは非常に大変です。1つならまだしも10社も20社も受けるとなるとメンタルが削れていきます。
そこで、自分が今までにやってきたことのストックを、それぞれ200~300文字程度で書き留めておきましょう。
すると、そのメモをテンプレートとして、文字数や題目に合わせて微調整するだけで、それらの設問に容易に回答できます。
書くエピソードがないという人は、自分が継続的にやっていることや自分が得意なことをうまく膨らましたりぼかしたりして書きましょう。
ボランティアや実行委員のようなエピソードはありきたりすぎてあまり意味をなさないため、下手に汎用エピソードで嘘を書くと逆効果です。
考えすぎない
そもそも考えすぎても良くなるとは限りません。よく見かける就活理論とか最強ES講座のような記事は、あくまで一般論を述べているだけで、必ず正しいとは限りません。
基礎的な書き方を身につけることは大切ですが、それ以上に気にしすぎてもコストとリターンが釣り合いません。
よく「〇〇はNG」とか「〇〇で〇〇を書くのは~」という記事がありますが、常識的に失礼な内容ならともかく、細かなマナー講座のような粗探しが全ての企業に当てはまるとは思えません。
結局、自分ひとりで書ける自分自身のエピソードには限界があります。
そのため、あまり時間をかけて悩みすぎないのがいいと思います。どうしても行きたい企業があるなら話は別ですが、そうでない場合はなおさらです。
それでも気になるという人は、知り合いで就活を経験した人に、できればなるべく近い境遇の人(志望業界が一緒、専攻や学歴水準が一緒など)がいいと思います。私はコミュ障なので無理でした。
以上のことを意識して、ESを各社に提出しました。
たまに締切を過ぎて提出が間に合わなかったり、提出までに適性試験の受験が必要でその予約が間に合わなかったりということもあったため、なるべく早めに書くことと、時間がなくても何が必要かを確認しておくことをオススメします。
不思議なことに、ESの突破率は結構良かったです。オリジナリティのあるエピソードが功を奏したのか、はたまた理系の大学院生だとこんなもんなのかというのはわかりません。
ESが通ると、一次面接があったり適性試験があったりグループワークがあったりなんかいろいろあります。
適性試験
いわゆるSPI試験と呼ばれるものだったり、その他の会社が提供しているものだったりします。
Webで受けられるものと、予約して会場で受けるものがあります。
費用は会社持ちで、結果は会社が保有して就活生には見せてくれないところが多いです。私の場合は5社ほど適性試験を要求して、1社だけ性格検査の内容を見せてくれました。
内容は、能力検査と性格検査の2種類に大別されます。
能力検査では、計算や基礎的な文章の読み取り、論理的思考力、英語力などが問われます。必要な知識は中学生程度の内容ですが、学校の試験では出てこないような思考力を問うIQテストのような問題もあり、学力とは少し異なる能力が求められます。
適性検査では、与えられた質問に対して自分により近いものを選ぶことで、自分の性格をステータス化することができます。嘘をついてもわかるらしいです。ほんとかなぁ
自分の能力や性格を問うものなので、付け焼き刃で対策をすることは難しいです。
ただ、明らかにスペックが低かったり、危険な思想を持った人を弾く意味合いが強いため、あまり気にする必要はないかと思います。
グループワーク
5~8人でグループを組まされ、与えられたお題について議論して、時間内に一つの結論を出します。
出した結論をもとに、人事の人を相手にプレゼンをします。
私は2回しか受けてないのでよくわかりませんが、議論で発言する隙を確保できると合格して、できないと不合格になる印象を受けました。
片方は受かって片方は落ちたのですが、落ちた方は文系連中3人くらいの声がやたらデカくて、他の人の喋る隙がないまま勝手に議論のイニシアティブを取られてしまった感じがありました。
合格した方は議論の進め方や時間の割り振りを意識して、周りがそれに耳を傾けてくれたため、主体的に動いた印象を与えられた気がします。
そう考えると、グループワークはコミュ障にとっては少し運ゲーかもしれません。メンバーガチャですね。
面接
いよいよ懸念していた面接がやってきました。
自分は、コミュ障かつ極度のあがり症のため、面接については非常に自信がありませんでした。
しかし、20年前ならともかく、有効求人倍率が1を超えているような今の御時世で、大学院まで進学しているなら、多少コミュ力が低くてもなんとかなるかなという甘い気持ちもありました。
最初に受けた面接は大手のI社の一次面接でした。
面接官は人事の比較的若い人で、面接も一対一でかなり緩い雰囲気でした。そのため、私ももそこまで緊張せずに話せた気がします。
ESに書いた自分の強みについても伝えることができて、手応えとしては悪くないかなと思っていました。
しかし、結果はダメでした。
初めて受け取ったお祈りメールは、少し苦い味がしました。
就活については企業と就活生のマッチングであり、合う合わないはどうしてもあるため、たとえダメでもあまり気負ったり落ち込んだりしない方がいいと聞いていたため、当時はそんなものかなと思っていました。
しかし、次に受けたS社でも、その次に受けたT社でも結果は同じでした。筆記試験もESにも能力試験も普通に通過してきたのに、面接でことごとく落ちていくのはかなり心に来ました。
徐々に減りゆく残弾と募る焦りの中で、少しずつ心が壊れてきました。まるで全てに否定されているような気がしました。
9社目くらいの面接では、もう気持ちで負けていました。今回もきっとダメだろうという思いの中で面接を受けていた覚えがあります。
多くの企業において、面接はほぼ例外なく複数回に渡って行われるため、一度偶然通っても最終面接まで全ての面接で通過できる可能性は限りなく低いことから、少し諦めの気持ちもありました。
5月に入ると、「就活生の4割が内々定確保済み!」のようなニュースを見かけて、ますます今後が心配になりました。
まとめ
この記事を読んでいる人の中には、コミュ障で今後就活を控えている人もいるかもしれません。
はっきり言いましょう。コミュ障にとって、就活はかなり苦しい戦いになります。
面接は避けて通れない上に、ESに何を書こうと面接の結果は良くなりません。
それでは、ここからどうやって内々定を勝ち得たのでしょうか?
次回、就活体験記の最終回になります。